漢方とは
このページをご覧の皆さんは、漢方薬を治療薬として医師から処方された顆粒製剤を服用した事があったり、又は服薬中の方もいらっしゃるでしょう。
漢方の起源はインドで、中国で鍼灸などと東洋医学として発展し、鎌倉時代に日本へ入ってきて、江戸時代中期に日本漢方として体系を立てられたとされています。
漢方の香りや味はいかがでしたか。顆粒とはいえ、飲みはじめはその独特の香りや味に顔をしかめたりした経験があった方もいらっしゃるでしょう。この香りと味を「気味(きみ)」と言い、この独特の香りと味も効き目の内なんです。我慢してのんでください。
病気になった時の身体の変化を「証(しょう)」と言います。同じ病名でも、証(症状)が違うと処方が違います。自分が効いた漢方だから、お友達のAちゃんにも効くということはありません。そして、自分にあった漢方薬は、他人が一口舐めても「苦い、まずい」という薬でも、ご本人には「美味しい」と感じる、それは証が合った薬であることです。不思議な事です。
煎じ薬とは
湯というのは薬という意味があり、その煮出した汁をのむのが煎じ薬です。例えば、葛根湯は煎じ薬として、八味丸は丸剤として、当帰芍薬散は散薬としてのむことで、充分にその漢方薬の効果が発揮されるというのも特徴です。
もとから顆粒や錠剤があったのではなく、のみにくい漢方薬を日本の製薬メーカーさんが患者様がのみやすい形、顆粒や錠剤を製剤したのが、今皆さんがお医者様から処方される漢方薬です。
効能・症例
例えば葛根湯を例に挙げますと、この保険診療においての効能効果は、自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の症状、感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期などということで病症名が続きます。
漢方薬の古典書物である傷寒論(しょうかんろん)には、『太陽病項背強几几無汗悪風葛根湯主之(たいようびょうで、こうはいこわばりしゅしゅとして、あせなく、おふうするは、かっこんとうこれをつかさどる)』要するに、「比較的体力があって肩が凝っていて、汗が出にくく、さむけがあれば葛根湯がいいですよ」という事が書いてあります。これが葛根湯の証、主証(しゅしょう)です。熱があったり、咳や鼻水が出ていたりしていても、これらは主証でなく副証(ふくしょう)といい、参考程度の症状をいいます。本来の葛根湯の効能効果と現代西洋医学のそれとは同じように見えますが、ただ風邪をひいたら、万人に葛根湯が合うのではなく、証が合えば効くのが葛根湯の、漢方の特徴でもあります。
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